Wkwktkmk03’s blog

日記とときめいたことと何かのレポ等。俳句。

感情の動きに対して、古典文学や近現代小説の一節が追い付くときに、物語が生まれる

 知り合いのお犬さんが自宅からいなくなって、今日で三日が経つらしい。お散歩させてもらった道を歩いてみたけれど、お犬さんの気配は全くしなかった。十五歳くらいなので、もしかしたら自分自身の寿命とかそういう天命みたいなものを感じて、自発的にいなくなってしまったのかもしれないと、飼い主さんは言っていた。落ち込んではいたけれど、仕方がないという気持ちが前に出ている表情だった。珈琲を飲みながら、窓から見える裏山を見た。山は今日も静かで、色んな命を育んでいる音を内包しながら、今日も静かに立っていた。

 帰宅してから、飼い主さんの言葉の意味を考えてみた。私は結局、涙が止まらなくなってしまった。確かに、最近お犬さんは近づいても中々起きなかったり、歩く速度が少しゆっくりになったりしているということを感じてはいた。歳だからなあという思いはあったけれど、こんな風にいなくなっちゃうとは思わなかった。寂しいな。もう少しありがとうって言ってあげたかったな。ありがとうございました。ありがとうございます。一緒に歩いて見た景色、早くも遅くもない速度、ダブルコートの毛並み。ずっと忘れたくないよ。ありがとう。

柴犬の尾はくるるりん冬田道